学生時代が終わった後、私の趣味の中から、山登りが消えた。
相次いで大学の同級生が山で命を失ったからである。
ひとりの捜索には私もかかわった。
正月に音信が途絶え、見つかったのは五月の雪解けの時期であった。
そのときに一番熱心に捜索をしていた奴も、卒業後、北アルプスの沢登りで命を失った。
それからは、私の中から山というものが楽しみの中から消えた。
山に遊びに行くといったら、スキーをするか、紅葉を楽しむといったところであった。
先週、石鎚を歩いた。
磐梯を歩いていたころの記憶がわずかに蘇ってきた。
山登り関係のホームページをのぞいてみた。
そして、昨日、登山靴を買った。